「マティス展 -The Path to Color-」東京都美術館

「マティス展 -The Path to Color-」東京都美術館

 

上野の東京都美術館で開催中の「マティス」展へ行ってきました。

世界最大規模のマティス・コレクションを所蔵するパリのポンピドゥー・センターの全面的な協力を得て、日本で開催されるマティス展はなんと約20年ぶりとのこと。


確か大学生の時に開催されていたマティス展で実物を初めて見て、
その自由な筆使いと色彩に感動したのを覚えています。

アンリ・マティス「パイプをくわえた自画像」 1919


今回はそのマティスをもう一度見れるという嬉しさから、とても張り切って開催二日目に訪れました!

大混雑を心配していたのですが、平日午前中ということもあって思いの外空いており、ゆったりと鑑賞することができました。

また本展は撮影可能な作品が多く、名画に携帯を向けるのは、なんだか少し後ろめたい気持ちもありながらも、しっかり撮影してきました。

以下は撮影可能だった作品の中から、特にお気に入りの作品についてです。

アンリ・マティス「ピアノの前の若いヴァイオリン奏者」 1924–26年


アンリ・マティス「若いスペイン女性 」1921年

 


アンリ・マティス「若い女性の肖像」 1925年ごろ

上の2点はとてもこじんまりとした小さな作品でした。
誰かへのプレゼントとして制作されたものでしょうか。
書斎や小部屋に飾りたくなるような愛らしさがありました。

 

アンリ・マティス「グールゴー男爵夫人の肖像」 1924年

 ビビッドなレッドの色使いがとても綺麗で、かつマダムの存在感が凄いです。
初めて観た作品ですが、すごく印象に残りました...

 

アンリ・マティス「緑色の食器戸棚と静物 」1928年

セザンヌの影響とマティスの試行錯誤が見て取れる作品。
涼しげで様々なブルーの中に際立つオレンジが素敵です。
リビングに飾ってみたいと思いました。

アンリ・マティス「夢」 1935年5月

モデルの女性はマティスのミューズ、リディア・デレクトルスカヤ。

くつろいだ表情のリディアが自由で開放感のある構図と、温かみがありつつも涼しげな色彩で描かれています。
とても心地よく眠っているように見え、「夢」というタイトルがぴったり馴染みます。

 

アンリ・マティス「座るバラ色の裸婦」1935年4月–1936年

何度も描き直しが施され、その描き直しの痕跡がうっすらと画面に残っているのを見ることができる作品。
モデルは同じく、マティスのミューズ、リディア・デレクトルスカヤと言われていますが、モデルの顔も楕円形によってのみ表されているのみで体も幾何学的な線描によってしか表されていません。

のっぺらぼうな顔の表現についてマティス自身は次のように語っています。

「もし目や鼻や口を入れたら見るものの想像力を殺してしてしまう......表現は、絵全体で支えられているのだから」

 

アンリ・マティス「ラ・フランス」 1939年

 

『芸術・文学雑誌ヴェルヴ』23号(1949年)、表紙
デザイン : アンリ・マティス

1937年に創刊された芸術・文学雑誌『ヴェルヴ』23号(1949年)の表紙。
切り紙絵と文字で構成したマティスによるデザインです。

いびつなハートが可愛らしく印象的でした。

 


展示はどの作品も素晴らしく、特に晩年に切り絵で描かれた「ジャズ」シリーズの色使いと鮮やかさに圧倒されました。(撮影できなかったのが残念...)


また今回初めて使った音声ガイド、美術鑑賞の楽しみが一段広がるような感覚で、すごく良かったです。

特に音声ガイドで最後に聞いたマティスの言葉には、心動かされ、勇気づけられるとてもよい展示でした。
うる覚えですが...以下のような内容。

 

『何より大切なのは自分オリジナルのスタイルを見つけること。そして スタイルが見つかったら、それを探求し続けることです…』

 

 

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